
建設業の許可を取得するためには4つの許可要件をクリアし、欠格要件に該当しないことが必要です。
その許可要件の一つが、「経営業務の管理責任者」などを会社に置くことです。経営業務管理責任者とは、わかりやすい例でいうと「建設業の会社を5年以上経営していた経験」があることになります。
これがもっとも簡単に経営業務管理責任者と認められる要件になります。そして、これ以外にも経営業務管理責任者になる要件はあります。
そこでこの記事では、「建設業の経営業務管理責任者の要件や証明書類」などについて解説します。
建設業許可の経営業務管理責任者(経管)とは?
建設業の経営業務の管理責任者は、略して「経管」といわれます。
建設業をおこなう会社の経営を、実際におこなった経験があるかどうかが問われます。
いまの建設業法施行規則では、経管は「常勤役員等のうち一人」として書かれています。法人なら常勤の役員、個人なら事業主本人か支配人のうち1人が、建設業の経営の経験を持っている必要があります。
- 業種は問いません。内装工事の会社の役員だった人が、建築一式の許可を取る会社の経管になることもできます
- 経験を積んだのは、申請する会社でなくてもかまいません。前の会社の役員や、個人事業主として積んだ経験も数えます
経管は常勤でなければなりません。その人が営業所技術者(以前の「専任技術者」)の要件も満たしていれば兼ねることもできますが、同じ営業所(原則として本社・本店)の中に限られます。小さな会社や一人親方の法人成りでは、社長が経管と営業所技術者を兼ねているケースはよくあります。
経管は許可の基準の一つなので、欠けると許可は取り消されます(建設業法第29条第1項第1号)。社長以外が経管になっている場合は、退任や退職で空白ができないように注意しましょう。経管が退任して代わりの人がいるときは、2週間以内に、代わりの人の書類を出します(建設業法施行規則第7条の2第2項)。
経営業務管理責任者の要件
経管として認められる型は、建設業法施行規則第7条第1号に定められた次の4つです。①は、法人の役員や個人事業主として建設業を5年以上経営してきた人が当たる型です。②〜④は、組織図や社内の規程、人事発令書などの書類で「その地位にいたこと」と「その期間」を示していく型です。
①建設業に関し5年以上、経営業務の管理責任者としての経験がある
②建設業に関し5年以上、経営業務を執行する権限の委任を受けた執行役員等として、経営業務を管理した経験がある
③建設業に関し6年以上、経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者として、経営業務の管理責任者を補佐した経験がある
④常勤役員等が次の(A)(B)のどちらかに当たり、かつ、その人を直接に補佐する人として(C)(D)(E)をそれぞれ置いている
このほか、国土交通大臣が①〜④と同じ以上の経営体制があると認定する道もあります。
①建設業を経営者として5年以上経営した経験がある
法人の取締役などの役員、個人事業主、支配人、支店長・営業所長など、取引の相手に対して責任を持つ地位で、建設業の経営業務を総合的に管理した経験が5年以上あることです。
登記簿や確定申告書など、役所や税務署が出した書類で期間を示せる型です。
熊本県の「建設業許可申請に必要な書類(早見表)」では、次の「1」か、「2と3」で証明します。
- 過去に経管として届け出られていた人なら、そのときの許可申請書などの写し
- その地位にいた期間を示すもの
- 法人の役員:期間分の登記事項証明書・履歴事項全部証明書・閉鎖登記簿謄本など
- 個人事業主:期間分の所得税の確定申告書の写し
- 個人事業の支配人:期間分の支配人登記簿謄本
- 建設業法施行令第3条の使用人(支店長・営業所長など)として届け出られていた人:期間分の建設業許可申請書・変更届出書の写しなど
- 契約を結ぶ権限を持つ支店長など:組織図・権限規定・辞令書など
- その期間に建設業を営んでいたことを示すもの
- 建設業許可申請書などの写し、または工事請負契約書・工事請書・請求書などの写し(期間通年分、年1件程度)
②建設業で5年以上権限委譲を受けた執行役員などをした経験がある
取締役会のある会社で、取締役会の決議により、建設業の事業部門について業務執行の権限を任される者として選ばれ、代表取締役の指揮命令のもとで、その業務の執行に専念した経験です。
建築部門だけ、資材の調達だけのように、建設業の一部だけを受け持っていた執行役員は当たりません。
執行役員等としての期間と、①の経管としての期間を足して5年以上でもかまいません。
書類で示すのは次のことです。
- 執行役員等が、取締役などのすぐ次の地位にあったこと(組織図など)
- 受け持っていた部門が建設業の部門であること(業務分掌規程など)
- 取締役会の決議で権限を任されていたこと(定款、執行役員規程、取締役会規則、取締役会の議事録など)
- その期間(取締役会の議事録、人事発令書など)
③建設業で6年以上準ずる地位の者として経営者を補佐した経験がある
ここでいう「準ずる地位」は、取締役・個人事業主・支配人・支店長・営業所長など、取引の相手に対して責任を持つ地位の、一つ下の職制上の地位のことです。
その地位で、工事に必要な資金の調達、技術者や技能者の配置、下請業者との契約など、経営業務全般に携わった経験が6年以上あることです。
- 法人での経験か、個人事業での経験かは問いません
- 補佐の経験に、②の執行役員等の経験や①の経管の経験を足して6年以上でもかまいません
書類で示すのは、その地位にいたこと(組織図など)、補佐の仕事をしていたこと(業務分掌規程、過去の稟議書など)、その期間(人事発令書など)です。
④役員の経験に、直接に補佐する人を組み合わせる型
経管になる常勤役員等の経験が①〜③に届かないときに、財務管理・労務管理・業務運営の経験者を、その人のすぐ下に置いて補う型です。
- 財務管理:工事に必要な資金の調達、工事中の資金繰りの管理、下請業者への支払いなど
- 労務管理:社内や現場の勤怠の管理、社会保険の手続きなど
- 業務運営:会社の経営方針や運営方針を決めて実行すること
「直接に補佐する」とは、間にほかの人をはさまず、常勤役員等から直接指揮命令を受けて、常勤で働くことです。
気をつけたいのは、補佐する人の経験は、申請する会社での経験に限られることです。ほかの会社で経理を長くしていた人を迎えても、その経験は数えません。作ったばかりの会社では、まだその会社で5年の経験を積んだ人がいないので、会社ができて5年たつまではこの型は使えません。
書類で示すのは、常勤役員等や補佐する人の地位(組織図など)、財務管理・労務管理・業務運営の仕事をしていたこと(業務分掌規程、過去の稟議書など)、その期間(人事発令書など)です。
経管が「常勤」であることを示す書類
「常勤」とは、原則として本社・本店などで、休日などを除いて毎日、決まった時間その仕事をしていること(テレワークを含む)です。
宅地建物取引士や管理建築士のように、ほかの法律で「専任」が求められている人は、同じ会社の同じ場所でなければ常勤とは認められません。
熊本県の早見表では、常勤であることを次のような書類で確かめます。
- 健康保険・厚生年金保険の被保険者標準報酬決定通知書の写し
- 住民税の特別徴収税額通知書の写し
- 所属している会社の雇用証明書の写し
- これらに準ずる資料(直近3か月分の賃金台帳、源泉徴収簿、出勤簿など)
2つの会社から役員報酬を受ける人の場合は、2社から役員報酬を受ける人が経管・営業所技術者になるには|常勤性の証明【熊本】で詳しく書いています。
よくある質問
前の会社の役員の経験は、業種が違っても使えますか
使えます。「建設業に関し」の経験は、業種ごとに区別しません。
現場監督として長く働いてきました。経管になれますか
経管の経験は、役員や事業主などとして建設業の経営に関わった経験です。現場監督の経験は、そのままでは経管の経験になりません。
ただし、許可を取りたい業種の工事で現場監督をしていた経験は、営業所技術者の「実務経験」として数えられます。実務経験だけで満たすには原則10年以上が必要です。指定学科を卒業している場合(高校卒業後5年以上、大学・高等専門学校卒業後3年以上)や、施工管理技士の第一次検定に合格している場合(一級は合格後3年以上、二級は合格後5年以上)などは、必要な年数が短くなります。
1人で経管と営業所技術者を兼ねられますか
その人が営業所技術者の要件(資格や実務経験)も満たしていて、同じ営業所(原則として本社・本店)に常勤しているなら、兼ねられます。
新しく作った会社で許可を取りたいのですが、経管はどうすればいいですか
ほかの会社や個人事業で、①〜③のどれかに当たる経験(①②は5年以上、③は6年以上)を積んだ人が、その会社の常勤の役員に入っている必要があります。④の型は、補佐する人の経験がその会社での5年以上に限られるので、会社ができて5年たつまでは使えません。
パターン別に新設法人で建設業許可を取るには|経管と営業所技術者を誰にするか【熊本】で説明しています。
建設業の経営業務管理責任者になる要件まとめ
建設業許可を取得するには、要件に合った経営業務管理責任者(経管)が必要です。
建設業を5年以上経営していれば、①の型で、確定申告書や登記簿と工事の契約書などで証明できます。②〜④の型は、組織図や社内の規程、人事発令書など、会社の中の書類で地位と期間を示すことになり、そろえる書類が多くなります。
どの型で申請できるか、手元の書類でそろうかを、最初に確かめることが大切です。
出典・参考
- 建設業法第7条・第29条(e-Gov法令検索)
- 建設業法施行規則第7条(e-Gov法令検索)
- 建設業許可事務ガイドライン【第7条関係】(国土交通省)
- 建設業許可申請に必要な書類【早見表】(R8.4~)(熊本県)
当法人に依頼するメリット

建設業許可、経営事項審査はご自身で行うことも可能ですが、添付書類がとても多く、よく知らない必要書類を集める作業は手間と時間がかかり、ストレスになる場合もあります。何より、自分一人で出来るか不安だと思います。
役所でもらう書類は基本的に有効期限はありませんが、建設業許可の申請では、発行から3カ月以内のものでないと受け付けてもらえません。
書類集めでミスを繰り返してしまうと、役所でもらった書類の有効期限が過ぎてしまい、また役所の行かないといけない…ということにもなりかねません。

当法人にご依頼いただくと、以下の3つのメリットがあります
- 最短期間で許可取得可能
- 必要書類の収集をすべて任せてOK
- 熊本県(県庁)での申請手続きまで全てを代行して行う
もし、建設業許可をお考えでお困りの場合はお気軽にお問い合わせください。

当法人は熊本市東区尾ノ上にあるため、直接面談することもでき、手厚くサポートできるかと思います。
ラインからでもご相談できます↓↓

また、事業を成長させるために補助金を活用するお手伝いなどトータルで事業をサポートすることが当法人の強みでもありますので遠慮なくお問い合わせください。
建設業許可(新規)の流れと費用は、建設業許可専門のサイトにまとめています。
建設業許可で補助金を支援した例
それでは、最後まで読んでいただきましてありがとうございました。
熊本市東区で日本一真っすぐ走る行政書士でノーサイド行政書士法人の湯上裕盛でした!!



コメント