「特定技能1号で働いている人が、2号に移れました。登録支援機関との契約は終わりになると思いますが、入管への届出は誰が出すのですか」
特定技能の外国人を受け入れている会社から、2号への移行が決まったあとにいただくご質問です。
結論から書きます。2号の人には、会社が支援をする義務がありません。そのため、受け入れている1号の人が全員2号になれば、登録支援機関に支援を任せていた契約(支援委託契約)は役目を終えます。契約を終えたときの届出は、登録支援機関ではなく、受け入れている会社(特定技能所属機関)が、契約が終わった日から14日以内に出します。
この記事では、2号に移ると何が変わるのか、支援委託契約をいつ・どう終えるか、終了の届出の出し方、2号になっても続く届出を説明します。
この記事のポイント
- 2号の人には、会社が支援をする義務がありません。支援の義務は1号の人だけです
- 2号の許可が出るまでは1号のままなので、支援は許可の日まで続けます
- 支援委託契約が終わったら、会社が、終わった日から14日以内に入管へ届け出ます。登録支援機関は届出を出せません
- 2号の人がいる限り、年に1回の定期届出は2号になっても続きます
- 契約の終わりは、終了日と費用の扱いを書面に残しておくと、あとで食い違いません
2号になると、会社の支援の義務がなくなる

特定技能の外国人を受け入れる会社は、1号の人については「1号特定技能外国人支援計画」を作り、その計画に沿って生活や仕事の支援をしなければなりません(入管法第2条の5第6項・第19条の22第1項)。法律が支援を求めているのは、1号の人だけです。
2号の人には、この支援の義務がありません。出入国在留管理庁の定期届出の作成要領も、「2号特定技能外国人に対する支援義務はありません」としています。
登録支援機関は、会社から委託を受けて、この1号の支援計画の全部を実施する機関です(入管法第19条の23第1項)。受け入れている人が全員2号になれば、支援を任せる契約を続ける理由はなくなります。
支援が続くのは、2号の許可が出る日まで

1号の期間を終えれば自動的に2号になるわけではありません。分野ごとの試験に合格するなどして、出入国在留管理局に在留資格の変更を申請し、許可を受けて初めて2号になります(特定技能外国人受入れに関する運用要領)。
申請をしてから許可が出るまでの間、その人はまだ1号です。1号の人への支援の義務は続くので、支援委託契約もその間は続けておきます。契約を終える日は、2号の許可が出た日以後にそろえるのが安全です。
許可が出ると、新しい在留カードと、働く会社と分野を書いた指定書が交付されます。2号の在留期間は、3年・2年・1年・6か月のいずれかです。
支援委託契約の終了は、会社が14日以内に届け出る

登録支援機関との支援委託契約が終わったときは、会社が出入国在留管理庁に届け出なければなりません(入管法第19条の18第1項第3号)。期限は、契約が終わった日から14日以内です(同法施行規則第19条の17第2項)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 届け出る人 | 受け入れている会社(特定技能所属機関) |
| 期限 | 契約が終わった日から14日以内(この日までに入管に届いていること) |
| 書くこと | 契約が終わった年月日と、終わった理由 |
| 様式 | 参考様式第3-3-2号(支援委託契約の終了又は締結に係る届出書) |
| 出し方 | 電子届出システム、持参または郵送 |
| 出す先 | 本店の住所を管轄する地方出入国在留管理局(熊本の会社は福岡出入国在留管理局) |
出入国在留管理庁は、登録支援機関と委託契約を結んでいても、登録支援機関が届出を行うことはできないとしています。登録支援機関が「届出はこちらでは出せません」と言うのは、このためです。
届出書を作るのは、会社の役員・従業員のほか、行政書士か弁護士に任せることもできます。その場合は委任状を付けます。郵送の場合、14日以内の消印では足りず、14日以内に入管に届いている必要があります。
ほかの1号の人がいるときと、ほかに出す届出

同じ会社に、まだ1号の人がいて、同じ登録支援機関への委託を続けるなら、支援委託契約そのものは終わりません。出入国在留管理庁のQ&Aは、1号の人のうち一人が退職して、ほかの人の委託契約が続く場合は、届出は必要ないとしています。
一方で、出入国在留管理庁の運用要領と届出書の様式は、支援委託契約を終えたときは「1号特定技能外国人支援計画」の変更の届出(参考様式第3-2号)もあわせて出すとしています。出さなくてよい例として挙げられているのは、外国人が退職して委託契約が終わる場合だけです。2号への移行で委託契約を終える場合の扱いは、運用要領にもQ&Aにも直接の記載がありません。当法人では、受け入れている人の在留資格と契約の中身を見たうえで、出す届出を決めています。
届出書の「終了の事由」は、大分類の「特定技能所属機関の都合による終了」を選び、小分類の「その他」に「特定技能2号への在留資格変更許可のため」と書いています。終了の事由の選択肢に、2号への移行にあたるものが無いためです。
2号になっても、会社の届出は続く

支援の義務がなくなっても、会社の届出がすべてなくなるわけではありません。年に1回の定期届出は、2号の人も対象です。出入国在留管理庁の作成要領は、受け入れている1号の人が全員2号に移っても、定期届出は必要だとしています。
定期届出は、4月1日から翌年3月31日までの分を、翌年度の5月31日までに出します。2号の人しかいない年度は、支援の実施状況の欄は書かなくてよくなります。ただし、その年度の途中まで1号だった人がいれば、1号だった期間の支援の実施状況は報告します。
雇用契約の内容を変えたとき(軽微な変更を除く)、雇用契約が終わったときの届出(随時届出)も、2号の人について続きます。期限は、支援委託契約の届出と同じく、その日から14日以内です(入管法第19条の18第1項第1号、同法施行規則第19条の17第2項)。届出をしなかったり、うその届出をしたりすると、過料や罰金の対象になるほか、一定の期間、特定技能の人を受け入れられなくなる場合があります(入管法第71条の4・第77条の2、特定技能基準省令第2条第1項第4号リ)。
契約の終わりは、書面にしておく

支援委託契約は、会社と登録支援機関の契約です。いつまでに、どういう形で解約を申し出るかは、それぞれの契約書に書かれています。まず手元の契約書の解約の決まりを確かめます。
あとで食い違わないように、次の点を書面(解約の合意書など)にしておくと安心です。
- 契約を終える日(2号の許可の日以後)
- 終える日までの委託料の扱い(月の途中で終えるときの計算など)
- 終了の届出を誰がいつ出すか(届出を出すのは会社)
書面に書いた「契約を終える日」は、そのまま届出書の「終了年月日」になります。14日の期限も、この日から数えます。
よくある質問

終了の届出を、登録支援機関に代わりに出してもらえますか
出してもらえません。出入国在留管理庁は、支援委託契約の届出は会社が出すもので、登録支援機関は届出を行うことができないとしています。届出書を作る作業は、行政書士か弁護士に任せることができます。
14日を過ぎてしまいました。どうすればよいですか
すぐに出します。出入国在留管理庁のQ&Aは、14日を過ぎても届出書を出すことはできるとしたうえで、遅れた理由を説明する文書を必ず付けるよう求めています。
届出は、インターネットでも出せますか
出せます。出入国在留管理庁の電子届出システムを使えば、地方出入国在留管理局へ行かずに届け出ることができます。初めて使うときは、先に利用者の登録をしておく必要があります。
1号から2号への変更の申請に、日本語の「B1相当以上」は要りますか
1号から2号への変更の申請にいつから求めるかは、まだ決まっていません。2号の人には日本語能力「B1相当以上」が求められることになり、海外から呼ぶとき(在留資格認定証明書の申請)は、2027年4月1日以降の申請から必要です。一方、変更の申請と更新の申請については、出入国在留管理庁が2026年10月30日の時点で「現在検討中」としています。
出典・参考
- 出入国管理及び難民認定法(e-Gov法令検索)…第2条の5・第19条の18・第19条の22・第19条の23・第71条の4・第77条の2
- 出入国管理及び難民認定法施行規則(e-Gov法令検索)…第19条の17・別表第三の五
- 特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令(e-Gov法令検索)…第2条第1項第4号リ
- 特定技能所属機関による支援委託契約に係る届出(出入国在留管理庁)
- 特定技能所属機関・登録支援機関による届出(出入国在留管理庁)
- 特定技能所属機関からの随時届出に関連してお問い合わせの多い事項について(Q&A)(令和7年6月)(出入国在留管理庁)
- 特定技能外国人受入れに関する運用要領(令和8年10月)(出入国在留管理庁)…第2章第2節・第7章第3節
- 特定技能外国人の受入れ・活動・支援実施状況に係る届出(定期届出)作成要領(出入国在留管理庁)
- 日本語能力水準「B1相当以上」の確認開始時期について(出入国在留管理庁)
まとめ
- 2号の人には、会社が支援をする義務がありません。1号の人が全員2号になれば、登録支援機関に支援を任せる契約は役目を終えます
- 2号の許可が出るまでは1号なので、支援委託契約は許可の日まで続けておきます
- 支援委託契約が終わったら、会社が、終わった日から14日以内に届け出ます。登録支援機関は届出を出せません
- ほかに1号の人がいて委託が続くなら、契約は終わらないので、終了の届出は要りません
- 2号の人がいる限り、年に1回の定期届出と、雇用契約の随時届出は続きます
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